はじめての方
訪問診療を嫌がるご家族への伝え方

「訪問診療を勧めても、本人が嫌がって困っている」というご相談は、当院によく寄せられます。
「病院に行けるうちはまだ大丈夫」「家に医者を呼ぶなんて大げさ」「往診は重症な人がするもの」――こうした思い込みが、訪問診療の導入を阻んでいることが多くあります。
このページでは、訪問診療を嫌がる親御さんや家族への伝え方・説得のコツをご紹介します。
「往診=重症」という誤解を解くことが第一歩
訪問診療を嫌がる最大の理由は、「往診は末期の人が受けるもの」「家に医者を呼ぶのは恥ずかしい」という誤解です。しかし現在の訪問診療は、高齢者の「日常的な健康管理」として広く使われています。
「一人で病院に行くのが難しくなった人のための、移動しなくていい通院のしくみ」と伝えると、受け入れられやすくなります。重症でなくても、体力が落ちて通院が大変な方が利用するものです。
嫌がる理由を聞いてみましょう
まず、「なぜ嫌なのか」を丁寧に聞いてみることが大切です。理由によって、対処法が変わります。
- 「恥ずかしい・みっともない」→「最近は若い人でも使っている、便利なサービスとして広まっている」と伝える
- 「まだ病院には行ける」→「今は行けても、もう少し先を考えた予防として始めよう」と提案する
- 「知らない医者が家に来るのが怖い」→「最初は一緒に話を聞くから、合わなければやめればいい」と安心させる
- 「お金がかかりすぎる」→「月7,000円前後で、介護タクシーより安くなる場合もある」と具体的に伝える
- 「家の中を見られたくない」→「医師は生活を評価しに来るのではなく、体を診に来る」と説明する
「試してみるだけ」という提案が有効です
最初から「訪問診療に完全に切り替える」と伝えると、抵抗感が強まります。「まず一度、先生に来てもらって話を聞くだけにしよう。気に入らなければやめればいい」という提案の仕方が受け入れられやすくなります。
登戸プライマリ・ケアクリニックでは、初回訪問時にご本人のお話をじっくり伺いながら、信頼関係を丁寧に築いていきます。「来てもらったら思ったより良かった」とおっしゃる患者様が多くいらっしゃいます。
ケアマネジャーや主治医から勧めてもらう方法
ご本人が家族の言葉には耳を貸さなくても、担当のケアマネジャーや今の主治医から勧められると素直に聞き入れるケースがあります。「先生から訪問診療を勧められた」という形にすることで、本人の抵抗感が下がることがあります。
ケアマネジャーや主治医に「訪問診療への切り替えを検討している」とご相談いただき、サポートをお願いするのも一つの方法です。当院でもケアマネジャー様からのご連絡を歓迎しています。
「家で過ごしたい」という本人の気持ちに寄り添う
実は訪問診療は「自宅で過ごしたい」という本人の希望を叶えるためのサービスです。「病院に通うのが大変になったから施設に入ることになるかもしれない」という現実を伝えた上で、
「訪問診療を使えば家にいられる」と説明すると、本人の動機づけになることがあります。
無理に説得しようとするより、本人の「こうしたい」という気持ちに寄り添うアプローチが、長期的には効果的です。